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僕の麗子さん
第6章 苦悩
ガパオライスはお店の人がスプーンで“カタカタ”と音を立てて半熟卵と一緒にかき混ぜてくれる。
タコのカルパッチョは玉ねぎのスライスが効いていてマリネ風であっさりしている。
僕と麗子さんは、ふたりでこの料理をシェアしながら食べて行った。
麗子さんは、生春巻きを食べるのは初めてらしかった。
その美味しさに感動していたのだ。
特に、パクチーを気に入った様だった。
僕は自分が選んだ料理を喜んで食べてくれる麗子さんを見て心は喜びに溢れた。
食事をしながら麗子さんが聞いてくる。
「領くんは、将来は何の仕事に就きたいの?」
「僕は、画家になりたいんだ…」
「そうなの、画家になりたいのね…」
「そうさ、麗子さんの絵を沢山描くんだ…」
麗子さんはそれを聞くと嬉しそうだった。
僕らは食後にチャイティを飲んだ。
僕のいつものお気に入りのお茶だった。
麗子さんもこのお茶を気に入ってくれた。
「今夜は麗子さんを帰したくないな…」
僕はお茶を飲みながらそう言った。
すると、麗子さんの顔が曇るのを感じた。
食事を済まして外に出ると雨が降っていた。
夏の不安定な大気のせいでスコールの様な雨が降っていたのだ。
僕は店員に頼んでタクシーを呼んでもらうことにした。
暫くしてから、タクシーがやって来た。

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