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千一夜
第47章 第七夜 訪問者 疑惑
「だってそうだろ? この街は遠山の城下町だ。俺なんかでも遠山の後押しさえあれば市長になれる。なのになぜ沢田絵里が必要なんだ? 圧勝しろと会長は言うけど、圧勝かそうじゃないかなんて数字の捉え方の問題だ。それにこの街の市長選が接戦だったなんてことは一度もない。遠山がついた時点で勝負ありだ。俺には沢田絵里という人間がどうして必要なのかわからないんだよ」
自分のことを「俺」とい言うことにだんだん慣れてきたような気がする。咲子の前なら普通に言える(おそらく咲子の前だけで使うことになるとは思うが)。
「亮ちゃん、それ私になんかじゃなくてパパに言って。パパはきちんと亮ちゃんに説明すると思うわ」
「そうだよな……悪かった。それともう一つ訊いていいいか?」
咲子の口からどうしても訊ねたいことがもう一つある。
「何?」
「どうして俺なんかが選ばれたんだ?」
「どういう意味?」
「遠山のお嬢様の結婚相手なら他にたくさんいるだろ? 優秀で家柄もよくて君にふさわしい男がさ」
「家柄だって、亮ちゃんて意外と古臭いのね。そんなんじゃ市長になっても亮ちゃんはパパの操り人形よ」
「市長は大変な仕事だよ。市民のために命懸けだ」
私の本音だ。
「市民のために命懸け、何だかかっこいいわ。そういうところが私もパパも好きなところなの。亮ちゃんを紹介してくれたのは清水さんよ」
「市長が?」
清水正幸は現在の市長だ。
「そうよ。清水さんが亮ちゃんのことをこう言ってたわ『仕事ができる優秀な男だが全く欲がない』」
「全く欲がない男か……それはそれでショックだな」
「そして亮ちゃんの写真が載っている広報誌を清水さんが持ってきてくれたの」
「俺の第一印象は?」
「第一印象?」
「そう」
「ふふふ」
「おい、笑わないで言ってくれ」
「ごめん。少なくともこの人はロボットより私のことを愛してくれるなと思ったの」
「それどういう意味だよ?」
「パパが私に紹介する人ってエンジニアが多いんだけど、そういう人たちって一時間休みなく自分が取り組んでいる研究の話をするの。本当に休みなく話すんだから。はっきり言ってチンプンカンプン。もううんざりっていう感じ」
「それは災難だったな。なぁ、咲子」
「何?」
「君に調べてほしいことがある」
「ふふふ」
「俺の頼みがわかるのか?」
「もちろん。ふふふ」
「気になるんだよ、沢田絵里が」
自分のことを「俺」とい言うことにだんだん慣れてきたような気がする。咲子の前なら普通に言える(おそらく咲子の前だけで使うことになるとは思うが)。
「亮ちゃん、それ私になんかじゃなくてパパに言って。パパはきちんと亮ちゃんに説明すると思うわ」
「そうだよな……悪かった。それともう一つ訊いていいいか?」
咲子の口からどうしても訊ねたいことがもう一つある。
「何?」
「どうして俺なんかが選ばれたんだ?」
「どういう意味?」
「遠山のお嬢様の結婚相手なら他にたくさんいるだろ? 優秀で家柄もよくて君にふさわしい男がさ」
「家柄だって、亮ちゃんて意外と古臭いのね。そんなんじゃ市長になっても亮ちゃんはパパの操り人形よ」
「市長は大変な仕事だよ。市民のために命懸けだ」
私の本音だ。
「市民のために命懸け、何だかかっこいいわ。そういうところが私もパパも好きなところなの。亮ちゃんを紹介してくれたのは清水さんよ」
「市長が?」
清水正幸は現在の市長だ。
「そうよ。清水さんが亮ちゃんのことをこう言ってたわ『仕事ができる優秀な男だが全く欲がない』」
「全く欲がない男か……それはそれでショックだな」
「そして亮ちゃんの写真が載っている広報誌を清水さんが持ってきてくれたの」
「俺の第一印象は?」
「第一印象?」
「そう」
「ふふふ」
「おい、笑わないで言ってくれ」
「ごめん。少なくともこの人はロボットより私のことを愛してくれるなと思ったの」
「それどういう意味だよ?」
「パパが私に紹介する人ってエンジニアが多いんだけど、そういう人たちって一時間休みなく自分が取り組んでいる研究の話をするの。本当に休みなく話すんだから。はっきり言ってチンプンカンプン。もううんざりっていう感じ」
「それは災難だったな。なぁ、咲子」
「何?」
「君に調べてほしいことがある」
「ふふふ」
「俺の頼みがわかるのか?」
「もちろん。ふふふ」
「気になるんだよ、沢田絵里が」

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