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千一夜
第41章 第七夜 訪問者 真実?
 あれ? 
 何だろうあの光は? 誰かがボートを漕いで湖に出て、そこからこちらに向かって大きな懐中電灯で合図をしているようだ。そしてその光は昨日同様扇を描くように動いた。
 確かこのホテルは全室から湖を眺めることができる。だからあの光を見ているのは私だけではないはずだ(幸いなことに私の膝の上に乗っている咲子の目の先は、部屋に敷かれている布団だ)。 
 でもあの光は私にしか見えないもののように思えた。光は私に何かを伝えようとしている。その何かを私に伝えるために屈斜路湖から然別湖まで私を(あるいは私たちを)追いかけてきた。
 それとも男山を飲み過ぎたせいで、私は錯覚を覚えたのかもしれない。確かに私は酔っている。だが、自分を見失うほど私の体の中にアルコールは入っていないはずだ。なぜならこの後、私と咲子には大切な儀式が待っているのだ。私だってそれくらい計算してグラスに酒を注いでいる。
 一つだけ大切なことがある。この光を咲子に見せてはいけない。もちろん光なんて咲子には関係のないものだ。光に気付けば咲子の機嫌が悪くなるだろう。
 咲子との話は尽きない。この続きは布団の中ですればいい。咲子だってそれを望んでいるはずだ。今度は私が咲子に訊ねる。私の質問に戸惑う咲子を抱く。 
 全くの嘘は嫌だが、事実を元にした脚色は大歓迎だ。むしろ咲子にはそうして欲しいと願っている。私の嫉妬に油を注ぐような真実の一歩手前の話に私の胸は高鳴る。ジェラシーにまみれて咲子のおま〇こを突く、突いて突いて突きまくる。悪くない。
 映画やドラマだったらお姫様抱っこで咲子を布団まで運ぶ。残念ながら私にはそう言う力はない。おそらく咲子もそれは望んでいないはずだ。
 ここで大きな問題がある。光はまだ私にサインを送っている。この光を咲子に見せてはいけない。咲子に湖を見せないように布団までエスコートする。難しいがどうしてもやり遂げなければならない。
「お嬢様、この続きは布団の中で」
 おどけて私はそう言った。
「ふふふ」
 咲子は笑った。
 膝から咲子を下ろして、私と咲子は立ち上がった。咲子にキスをする、そして抱きしめる。こうすれば咲子には湖が見えない。
 私は咲子を布団の上に寝せた。それから私は窓のカーテンを閉じて、障子戸も閉めた。
 私と咲子のセックスを光に見られたくない。
 
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