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千一夜
第36章 第六夜 線状降水帯Ⅲ ③
 やがて紗耶香はすべてを受け入れた。アダルトビデオの脚本通りに事が進むならそうなるはずなのだ。画面の向こうにいる視聴者を必要以上に待たせるのは得策ではない。それ以上に嫌がる女の映像を長々流したところで、映像会社に来るのは「おい、早くしろよ」「つまんねぇな」という苦情だけだろう。結果、その作品は駄作で終わる。
 ところがリアルな現場(アダルトビデオ風に言うと)は全く違う。紗耶香はずっと目を瞑り顔をしかめている。力ずくで紗耶香を犯しても意味はない。3Pは三人でセックスを愉しむから3Pと言うのだ。
 こんなのがまだ続くのかと思うと伊藤はうんざりした。
 本当はこんなことは言いたくなかった。でもこの状況を打開するためにはもうこれしかない。伊藤はそう思って、紗耶香の耳元でこう囁いた。
「おい、ボーナス欲しいだろ」
「……」
 紗耶香は何も答えない。伊藤はさらにこう続けた。
「日本に帰ったらお前に千万円のボーナスを支払う。千万円だ。彼氏に車でもプレゼントしろ。もう一度言う、千万だ」
 百万ではけち臭い。千万なら紗耶香はすとんと落ちる、多分。
「……」
 紗耶香は何も言わなかったが、紗耶香の手が力を失っていくのが伊藤にはわかった。金にものを言わせてしまった自分が嫌だったが、紗耶香の手から伝わってくる紗耶香の意志のようなものが確かめられたことで、伊藤はほっとした。
 さっきまで悪戦苦闘していた和子の舌がようやく紗耶香の口の中に招き入れられた。紗耶香の口の中を貪るのは和子だけ、紗耶香の舌はただそれを受け入れているだけのように伊藤には見えた。
 紗耶香はもう抵抗しない。それがわかれば、紗耶香の手を伊藤がずっと抑えておかなくてもいい。だから伊藤は紗耶香の手を自分の股間に導いた。すでに硬くなっている肉棒を紗耶香に掴ませる。その瞬間、紗耶香の手が伊藤の肉棒をしごき始めた……というアダルトビデオの予想通りの展開には残念ながら向かわなかった。紗耶香の手は伊藤の肉棒を掴んでいるだけだったのだ。
 紗耶香の手が思うように動かなければ動かすだけ。伊藤は紗耶香の手を掴んで、こういう風に手を動かせと自分の手を添えて紗耶香に指導した。
 和子とキスをしながら、紗耶香の手は伊藤の肉棒をしごき始める(若干弱々しいが、こればかりは仕方がない)。その光景を伊藤は紗耶香の上からのぞき込んで満足した。
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