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全部、夏のせい
第8章 暗雲〜東京、横浜、そして…

ベンチに座ってアラムを待つ間に、祖母に電話をすると、
快く「二人でいらっしゃい」と言ってくれて、
母には上手いこと連絡しておくからと笑いながら付け加える。
アラムが来たら、
何から話そうかと思いながら、
少し寒くなってマフラーを巻き直した。
バスが到着して、
ゆっくり近付くと、
アラムが最後の方になってようやく出て来た。
私は何も言えなくて、
泣きながらアラムに駆け寄って、
抱き締めて貰った。
係員のおじさんが咳払いをして、
「あのー、
荷物はこれでよね?
番号札は?」と言われたので、
フランス語でアラムに言うと、
ポケットから小さい紙を出して、
「アリガトゴザイマス」と言った。
「えっ?」と言うと、
「少しだけ日本語学んできた」と笑った。
タクシー乗り場に移動して、
乗り込んでからアラムに、
これから祖母の家に向かうと言うと、
「ご両親の処じゃないの?」と不思議そうな顔をした。
「あのね。
両親は…。
というか、父が、
アラムとの交際や結婚、許してくれそうもなくて、
本人も居ないから説明も出来ないまま、
何も話をしていないの。
祖母は応援してくれる筈だから…」と言うと、
「ごめんね、マーサ」と手を強く握った。
書類がなかなか揃わず、
一度、国に戻って準備して、
ようやくビザがおりたということだった。
そして、私との結婚や、
カトリックへの改宗について、
お父様と話をしたとも言うので、
驚いてしまう。
「大丈夫。
理解してもらえたから。
でも、周りは理解してくれそうもなかったけど」と笑った。
赤ちゃんのことを話す前に、
祖母の家に到着してしまった。
タクシーから降りたアラムは、
「日本は少し、寒いね?」と笑った。
快く「二人でいらっしゃい」と言ってくれて、
母には上手いこと連絡しておくからと笑いながら付け加える。
アラムが来たら、
何から話そうかと思いながら、
少し寒くなってマフラーを巻き直した。
バスが到着して、
ゆっくり近付くと、
アラムが最後の方になってようやく出て来た。
私は何も言えなくて、
泣きながらアラムに駆け寄って、
抱き締めて貰った。
係員のおじさんが咳払いをして、
「あのー、
荷物はこれでよね?
番号札は?」と言われたので、
フランス語でアラムに言うと、
ポケットから小さい紙を出して、
「アリガトゴザイマス」と言った。
「えっ?」と言うと、
「少しだけ日本語学んできた」と笑った。
タクシー乗り場に移動して、
乗り込んでからアラムに、
これから祖母の家に向かうと言うと、
「ご両親の処じゃないの?」と不思議そうな顔をした。
「あのね。
両親は…。
というか、父が、
アラムとの交際や結婚、許してくれそうもなくて、
本人も居ないから説明も出来ないまま、
何も話をしていないの。
祖母は応援してくれる筈だから…」と言うと、
「ごめんね、マーサ」と手を強く握った。
書類がなかなか揃わず、
一度、国に戻って準備して、
ようやくビザがおりたということだった。
そして、私との結婚や、
カトリックへの改宗について、
お父様と話をしたとも言うので、
驚いてしまう。
「大丈夫。
理解してもらえたから。
でも、周りは理解してくれそうもなかったけど」と笑った。
赤ちゃんのことを話す前に、
祖母の家に到着してしまった。
タクシーから降りたアラムは、
「日本は少し、寒いね?」と笑った。

