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誰も知らない君の顔
第8章 絡みつく・・・
「結、よく見て。それ・・・結じゃない」

「え?」

「騙してごめん・・・。それ、ネットで拾ったAV女優の画像」

「・・・・・・」

彼女を苦しめていた画像は顔が写っていない。首から下の裸体で、よく見ると結の綺麗な身体の線と明らかに違うが、彼女はそれが自分の画像だと信じていた。

「最初はマジで撮ろうと思ったんだけど・・・さすがに出来なかった。まあでも・・・同じ事なんだけど」

手の中にある携帯を操作し、彼女が見てる中その画像を消した。

「携帯にもSDカードにも結の画像はないから。好きに触って見ていいよ」

黙ったままの彼女は静かに首を振り、携帯を俺の手に戻した。

「冬吾さん・・・私の事・・・軽蔑してますよね?」

「え?」

「出会い系なんかに登録するような女ですから」

ふと見せた顔は・・・今にでも泣きそうな笑みだった。

「私・・・自分でも止められないくらい・・・性欲強いんです。今まではお付き合いしていた方で何とか欲求を満たしていましたが・・・それでも足りないくらいで・・・」

清楚なお嬢様が性欲強いとか・・・まあ同じ人間だからおかしくないけど・・・この可愛い結からそんな話聞くと思わなかった。
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