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ただ一緒に居たいだけ
第17章 新しいカタチ

ショートメールに書かれていた住所は、
渉さんの家からもさほど遠くない場所だった。
品川駅からタクシーに乗って、
エントランスで部屋番号を確かめながらインターホンを鳴らすと、
「美波さん…」という声が聴こえた。
赤ちゃんの泣き声はやんでいるようだった。
「早く開けて?」と言うと、
すぐにエントランスが開く。
中に入ってエレベーターに乗りこんで、
震える手でボタンを押した。
すごく嫌な予感がする。
エレベーターの動きが物凄く遅く感じる。
チン
小さい音と同時に身体を斜めにしながら急いで外に出て、
部屋番号を探してドアチャイムを押すと、
すぐにドアが開いて、
慎吾さんが泣きながら私を抱き締めた。
「慎吾さん?
大丈夫?
赤ちゃんは?」と言いながら、
部屋の中に入ると、
リビングの真ん中に敷かれた小さなお布団の上で、
本当に小さな赤ちゃんが眠っていた。
私は脚が震えてしまって、
ヘナヘナと座り込んでしまう。
赤ちゃんの横には、
小さな哺乳瓶が転がっていた。
「あの…。
ルカさんは?」と言うと、
慎吾さんは力なく首を横に振って、
ダイニングテーブルの上に置いていた紙を私に見せた。
「えっ?
これは…?」
「今日、退院の日だったけど、
ベッドにこれを置いてこっそり出て行ったんだ。
あいつの実家にも連絡したけど、
帰ってないって。
ミルクとか、オムツの替え方は、
父親母親学級で習って、
入院中もやってたけど、
これから、どうして良いか判らなくて…」と泣く。
そうしていると、赤ちゃんもぐずりだしてしまう。
「慎吾さん、取り敢えず、
キッチンで、水道水でも良いから、
ヤカンとか洗ってから新しいお水を沸かして?
あと、お風呂も沸かして?
お尻、気持ち悪いのかも。
オムツ、替えてあげる前に、
お尻だけでも洗ってあげましょう?」と言って、
赤ちゃんをそっと抱き上げた。
目を開けて、少しキョトンとした顔をして、
また目を閉じたけど、
その子は…ダウン症特有の顔立ちをしていた。
渉さんの家からもさほど遠くない場所だった。
品川駅からタクシーに乗って、
エントランスで部屋番号を確かめながらインターホンを鳴らすと、
「美波さん…」という声が聴こえた。
赤ちゃんの泣き声はやんでいるようだった。
「早く開けて?」と言うと、
すぐにエントランスが開く。
中に入ってエレベーターに乗りこんで、
震える手でボタンを押した。
すごく嫌な予感がする。
エレベーターの動きが物凄く遅く感じる。
チン
小さい音と同時に身体を斜めにしながら急いで外に出て、
部屋番号を探してドアチャイムを押すと、
すぐにドアが開いて、
慎吾さんが泣きながら私を抱き締めた。
「慎吾さん?
大丈夫?
赤ちゃんは?」と言いながら、
部屋の中に入ると、
リビングの真ん中に敷かれた小さなお布団の上で、
本当に小さな赤ちゃんが眠っていた。
私は脚が震えてしまって、
ヘナヘナと座り込んでしまう。
赤ちゃんの横には、
小さな哺乳瓶が転がっていた。
「あの…。
ルカさんは?」と言うと、
慎吾さんは力なく首を横に振って、
ダイニングテーブルの上に置いていた紙を私に見せた。
「えっ?
これは…?」
「今日、退院の日だったけど、
ベッドにこれを置いてこっそり出て行ったんだ。
あいつの実家にも連絡したけど、
帰ってないって。
ミルクとか、オムツの替え方は、
父親母親学級で習って、
入院中もやってたけど、
これから、どうして良いか判らなくて…」と泣く。
そうしていると、赤ちゃんもぐずりだしてしまう。
「慎吾さん、取り敢えず、
キッチンで、水道水でも良いから、
ヤカンとか洗ってから新しいお水を沸かして?
あと、お風呂も沸かして?
お尻、気持ち悪いのかも。
オムツ、替えてあげる前に、
お尻だけでも洗ってあげましょう?」と言って、
赤ちゃんをそっと抱き上げた。
目を開けて、少しキョトンとした顔をして、
また目を閉じたけど、
その子は…ダウン症特有の顔立ちをしていた。

