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ただ一緒に居たいだけ
第15章 霧の中

更に4日ほど経った。
マンションの断水はなんとか少しだけ解消したけど、
まだまだ不安定だったし、
エレベーターは止まったままだった。
とても階段で昇り降りは出来なかったので、
一度も外には出ていなかった。
比較的食料も水も備蓄はあったから、
なんとかやり過ごせてはいた。
ただ、週に一度の産婦人科の検診は、
とても行けそうになかった。
携帯の緊急地震速報の頻度は、
まだかなり多くて、
その度に怖さで震えた。
そんな中、
ドアチャイムが鳴った。
私の家のドアチャイムが鳴ること自体、
引っ越ししてから初めてのことだった。
もしや?
の期待。
まさか?
の気持ち。
2つの思いを抱き締めるようにゆっくりと玄関に向かう。
ドアスコープを覗くと、
健吾さんが立っていた。
私はゆっくり鍵を開けて、
ドアノブを回した。
ドアが開いた途端、
私は健吾さんの胸に飛び込んでいた。
健吾さんも私を抱き締めて背中を撫でてくれる。
健吾さんのダウンジャケットの胸に、
私の涙が染み込んでいく。
身体を少し離して私の顔を見ると、
「美波さん、
会いたかったよ?」と言って、
頬を両手で包んで、
額と瞼、両頬にそっとキスをしてから、
ゆっくりと唇にキスをした。
涙のせいで、
久し振りの私は、
少し塩っぱい味がしたと思った。
マンションの断水はなんとか少しだけ解消したけど、
まだまだ不安定だったし、
エレベーターは止まったままだった。
とても階段で昇り降りは出来なかったので、
一度も外には出ていなかった。
比較的食料も水も備蓄はあったから、
なんとかやり過ごせてはいた。
ただ、週に一度の産婦人科の検診は、
とても行けそうになかった。
携帯の緊急地震速報の頻度は、
まだかなり多くて、
その度に怖さで震えた。
そんな中、
ドアチャイムが鳴った。
私の家のドアチャイムが鳴ること自体、
引っ越ししてから初めてのことだった。
もしや?
の期待。
まさか?
の気持ち。
2つの思いを抱き締めるようにゆっくりと玄関に向かう。
ドアスコープを覗くと、
健吾さんが立っていた。
私はゆっくり鍵を開けて、
ドアノブを回した。
ドアが開いた途端、
私は健吾さんの胸に飛び込んでいた。
健吾さんも私を抱き締めて背中を撫でてくれる。
健吾さんのダウンジャケットの胸に、
私の涙が染み込んでいく。
身体を少し離して私の顔を見ると、
「美波さん、
会いたかったよ?」と言って、
頬を両手で包んで、
額と瞼、両頬にそっとキスをしてから、
ゆっくりと唇にキスをした。
涙のせいで、
久し振りの私は、
少し塩っぱい味がしたと思った。

