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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第16章 誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (後編)

「ロータス様はダンスを踊られるのですか?」
父、セシュルドに似た厳格で、常人には計り知れない冷淡と聡明さを宿した切れ長の鋭い瞳。
ダンスを好む紳士には見えない。
父のことは良く知らないが、少なくとも兄のケイルはダンスなどしない。
「そんなに驚くことか? オレだってダンスぐらい踊れるぞ」
顔つきはともかく物腰は柔らかく優雅さも兼ね備えている。陛下の前では丁寧な言葉使いをしていたし、やはりそこは貴族の子息だと思った。
意外と言えばそうなのだが。
妹のナシファーラもダンスをしてるわけだし。

