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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第16章 誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (後編)

「陛下、サクナ姫この度はおめでとうございます」
そう声をかけてきたのは、サクナの従兄妹のロータス・ポリアンサだった。
長めの白銀の髪を後ろでひとつに纏め、相変わらずの鋭い切れ長の目つき。
サクナの父であるセシュルドの兄の息子、そしてその隣には同じく白銀の髪を肩口まで伸ばし無造作に毛先を尖らせていて、身長はサクナよりも高い。
ロータスの妹のナシファーラ。
サクナより年下だが、その切れ長の瞳が大人っぽく見える。
「ありがと、ロータス」
ポリアンサ家の一族は、代々剣豪と知られ王宮で近侍を務めるものも多く、サクナの村のある地方の領主を勤め伯爵の爵位を持っている。

