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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第9章 ~夜宴は月夜の下で~

「陛下。コスモ国では暴動が起きたとか」
「ああ、コスモ国民にも自然愛国者は多い、多分その組織じゃないかと噂されている。大都市コスモシティの住民は迷惑がってたけどな」
今やキリマシア国よりも大都市となったコスモ国。
星全体を見ればもはや中心と言えるのは、コスモ国の方だろう。
何億年と続く術者の血縁者にも、その力を受け継ぐ事なく生まれた者もいる。
術者であることが当たり前だった時代にその力を無く生を受けたものは肩身が狭い想いをした。
コスモ国はそう言った人達が集まり、独自の知恵と知識でいつしかひとつの国となった。
そして、その中心となったのが現国王であるチネンシス家の者達。
チネンシスは先代よりその領土を広げるため集落を襲い着実にその力を大きくしてきた。
急成長を遂げたコスモ国は留まることなく、ついにはリキマシア大陸までも狙い始めた。
それは八年前に和平を結び終戦したのだが。
異種民族が集まる大都市コスモ国は、何かと国内での暴動が堪えない。
同じ国民同士で争う事になるのは嘆かわしい。

