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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第9章 ~夜宴は月夜の下で~

「陛下、わざわざお越し下さり申し訳ございません」
屋敷を出たあとルカは宰相に会うため彼の屋敷を訪れた。
いつ帰るかわからない王宮より、彼の屋敷に行くほうが気兼ねせずにすむ。
ルカは自身が陛下だからと気にする人ではない。
執務室のソファにはヴィストーターがいた。
「随分大人しいな素直に屋敷で待ってるとは」
「陛下こそ、随分早い帰りですね、明け方まで来ないのかと思いましたよ」
淡い金髪、ブルーの瞳。
ファリノサの血縁者たるヴィストーターは、歳も近いこともありルカにどことなく似た端正な顔をしている。

