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シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4     律子とゆかり
 143 昂ぶりの衝動(2)

 ギシッ、ギシッ、ギシッ、ギシッ…

 ヌチャ、ニチャ、ヌチャ、ニチャ…

「あん、んぁぁ…」

 そう…
 わたしは狂っている。

 この彼、大原浩一の甘い体臭がわたしの心を狂わせ…

 そして、まるで麻薬の性の媚薬の如くに、わたしの中の隠していたオンナのサガを、いや、隠れていたメスの本能を、ううん、淫乱なメスの本性を露わにしてきたのである。

 こんな激しい『もう一人のわたし』がいたなんて…

 淫乱なメスの本能にすっかり支配されているわたしの思考の片隅に、かろうじて存在、いや、残っている本来の、今までの、いつも頑なに冷静さを装い心に鎧を纏ったいつもの自分という意識が、そう、自分自身の心の中で囁いてくる。

 そしてその本来の自分の意識が、彼と二人の、いや、わたしの昂ぶりの欲求の衝動による激しい営みの姿を…
 斜め上からの俯瞰的視点で脳裏に浮かべてきたのだ。

 その俯瞰的視点からの二人の姿は…

 ソファに座っている彼に、正面からスカートを捲り上げ、またいで座り、挿入れて自ら激しく上下動をし…
 その動きにより、狂ったかのように喘ぎを上げ、身悶えし、身震いをしている姿…

 そう、それはまるで淫らな淫獣の如くの妖しく淫靡な姿…

 こんな淫らな、もう一人のわたし自身がいたなんて…

 こんな盛りのついたメスネコの如くの自分が存在していたなんて…

 わたしはその狂った、淫らな、メスの本能に支配された心の隅の、かろうじて生き残っている本来の、いや、本当の自分であるはずの己の僅かな意識により、そう感嘆し、焦り、卑下した思いを浮かべている。

 だが、その反面…
 自らの激しく、淫らな、上下の動きによって生じてくるカラダの、いや、心をも、わたしという存在の全てを覆い、支配しつつある、彼の怒張によるメスの本能の象徴である子宮からの強く湧き起こってくる快感によって…
 その僅かに生き残っている理性が、どちらが本当で、ホンモノの自分という存在なのかを…
 迷わせ、心を迷宮へと彷徨わせ始めてきていた。

 ギシッ、ギシッ、ギシッ、ギシッ…

 ヌチャ、ニチャ、ヌチャ、ニチャ…

「あんん、んぁぁ………」

 ギシッ、ギシッ、ギシッ、ギシッ…

 ヌチャ、ニチャ、ヌチャ、ニチャ…

「んん…ぁ…………」

 果たしてどちらが…






 
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