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シャイニーストッキング
第12章 絡まるストッキング6      和哉と美冴2
 154 最後の夜(16)

 この五年間、大学受験までしてこのわたしを追い求め、捜し続け、追い続けてくれたというこの事実に、人によってはストーカー行為と毛嫌いする、嫌悪する人々も多々居るではあろう…

 だが、わたしにとっては嬉しい事実であり、想いなのであるのだ。
 そしてそれはこの和哉の寝落ちという事により、ここまでの彼の苦悩と苦労、悩み、苦しみの全てを表していると感じられたのである。

 だから和哉が一人舞い上がり、瞬く間にイッてしまい、そして寝落ちしてしまった…
 どうしてこれを怒る、いや、怒れるのであろうか。

 それがさっきの

『やだなぁ、なに泣きそうな顔してるのよぉ』

『もお、やだわぁ、何で謝るのよぉ』

『もお、その位で怒らないわよぉ、っていうかぁ、なんか、いつもわたしが怒っているみたいじゃないの…』

 これ等の、わたしの言葉に繫がっていくのである…

 そしてかわいくて堪らないのである…

 昨夜のゆかりさんとの電話での会話の後押しもあった。
 いや、そのお陰で心に作っていた壁を取る事が出来たといえるのだ。

 後は…

 あとは…

 和哉の緊張を解してあげて…

 和らげてあげて…

 わたしという存在感を和哉の心の中の新たなる、いや、改めての存在価値となりたくなっていたのである。

 そしてもう一つ、あの五年前の最後の朝からまだ動き続けているであろう、和哉の心の中の時計の時間を止めてあげて、新しい時間を刻ませてあげたいのだ。

 なぜならば、わたしも同じ想いであるから…

 止めて、新しい時間を刻みたいから…

 その為にも、和哉に精一杯感じて欲しいのである。

 そしてそれが二人にとっての、明日への新たな一歩の為になる筈だからと感じるからなのだ…





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