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シャイニーストッキング
第12章 絡まるストッキング6      和哉と美冴2
 113 墓前への誓い

 途中パーキングで休憩したりしながらも快調に走り、目的のお墓のある街に約二時間弱で到着した。
 時刻は午前11時少し前である。
 そしてわたしはお墓の途中で花を買った。

『間もなく目的地に到着します…』
 カーナビの音声ガイダンスがそう告げる。

「あっ、あそこよ、あの高台の奥…」
 太平洋が下に望める高台の上にお墓はあったのだ。

「うわぁ、海風が気持ちいいや」
 と、和哉はクルマを停め、降りるなりそう言った。

「ああ、海がよく見えるんですね…」

 わたしはここまでの途中の車内で、和哉に、『ゆうじ』との出会いから最後の別れまでをあらかたかいつまんで話しをしたのである…

 だけどわたしの『黒い女』のエピソードは話さなかった…
 今更、和哉に対しては、あの『黒い女』のエピソードは必要ないからである。

「うわぁ、サーファーのお墓にはいいロケーションですねぇ」
 和哉はお墓から見下ろせる太平洋を眺めながら、そう言ってきた。

「うん、そうなのよね、サーファーにはちょうど良いかもね…」
 そう言いながらお花をお墓に添え、お線香に火を点ける。
 そしてわたしはゆうじのお墓に相対した。

 ゆうじ…

 ゆうじ…

 わたしはあれからまた一歩進めたの…

 これでいいんでしょう…

 もう、これからは、どんどん走って行くからね…

 もう後ろは振り向かないから…

 ただ…

 ただ、アレだけは何とかするからね…

 わたしはお墓に手を合わせ、黙祷しながら心の中でそう囁き掛けていく。

 そう、アレだけは…

 逆に云うと、わたしはその為に、それが目的で、今回の正社員雇用制度の適用を受けたのであるから…

 別に本音は、新規事業計画なんてわたしにはどうでもよかったのである…
 ただ、それを足掛かりにして、次へのステップへの足台として利用しようと思っているだけなのである。

 ただ、今回、主任という役職を頂いたのだ…
 そしてそれが、次へのひとつの最短の近道になれればいいとは思ってはいるのだ。

 ノリくんが大切に繋ぎ、育ててくれているアレをわたしがこの先なんとかしていくから、だからゆうじ、これからもわたしを見守っていて下さい…

 わたしはそう墓前に誓っていた。

 そしてわたしは目を開き、チラッと和哉を見てみる…





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