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シャイニーストッキング
第12章 絡まるストッキング6      和哉と美冴2
 107 ゆかりとの電話 ⑦

「でも、ゆかりさんの云ってる意味、よぉく分かりました…
 そして場合によっては、仕方なく…
 ヤラせて踏ん切り付けさせちゃいますから…」
『多分、それが一番よい方法かも…』

「なんかぁ、わたしも段々とそう思ってきました…
 そうなんですよね…
 きれい事だけじゃあ、済まないんですよね…」
 そうなのである、所詮、男と女の関係なのである…

 行き着くところは
 やるか、やらないか…
 やられるか、やらせないか…
 そう一番重要な事は、セックスなのだ。

 どんなにきれい事を云ったって男と女の関係の間にはセックスというモノの存在が重要なのだ…
 と、思うのである。

 さすがゆかりさんである、男女間の経験値はわたしとは根本的に違うのであろう…

 そしてこのドライさ…

 まるで女王様のような気質と感じていた。

『まあ、男と女の関係なんてそんなモノよ…』
 電話の向こう側のゆかりさんの美しい顔が再び浮かんできていた。

 わたしと友達になって欲しいの…

 このドライさは、この前そうわたしに哀願してきたウエットさとは全く違う、別人の様に感じる…

 どっちが本当のゆかりさんなのであろうか?

 今度、健太から、大学時代の彼女の事を訊いてみよう、いや、ぜひとも知りたい…

「あ、そういえば大原本部長はいつ戻ってくるんですか?」
 わたしは話題を切り替える。

『えっ、あ、うん…』
 すると、ゆかりさんの口調と声のトーンがさっきまでのドライからウエットに変わったのだ。

 えっ、どっちが本当のゆかりさんなんだろうか…
 ふと、そう思った。




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