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シャイニーストッキング
第12章 絡まるストッキング6      和哉と美冴2
 83 緊張の糸

 とうとう、和哉の手がスカートの中へ入ってきた。
 そして二人の欲情の想いが、ピンと張り詰め、緊張していく。

 お互いの激しい欲情の昂ぶりに、正に一触即発の状態となっていたのだ…

 再び二人は欲情に高まり、無言で見つめあう。

 わたしは、言葉を、いや、喘ぎ声さえも出せない程に興奮し、昂ぶり、そして緊張していたのだ。

「……………」

 ゆっくりと和哉の手がスカートの裾の中に入ってくる。

 この太腿を触れている手がこのままゆっくりと這い上がり、万が一股間に触れてしまったら…

 あぁ……

 もうお終いだ…

 もう、自分では抑え切れない…

 最後の理性がそう囁いてきたのだが、既にわたしは和哉の手の動きに対して抗う事は出来なくなっていた。

 ほんの僅か、少しだけ脚を反対側に動かすだけで、抵抗の、彼の手に逆らう意思を表せられるのだが…
 もう、その僅かの力さえも疼きの昂ぶりにより無くしてしまっていた。

 ああ、ダ…メ…だ……



 あ…あ…ぁ……

















 ブー、ブー、ブー…

 ♬♪♩♪♩♬♩♪♬♪♩…

 その時…


 突然『夢の国』のテーマソングが、携帯電話の着信メロディーとして、バイブ機能と連動して鳴り出したのだ。


「……はっ…………」



 その、突然流れ出してきた軽快な着信メロディーの音楽に、わたしのピンと張り詰めていた欲情の昂ぶりの緊張感が、スッと緩んでいった。  


「はぁぁぁ…
 …ふうぅぅ……」
 ギリギリまでピンと張り詰めていた緊張感がスッと緩み、そしてわたしはフッと我に返ったのである。

 えっ、なに…

 ブー、ブー、ブー…

 ♬♪♩♪♩♬♩♪♬♪♩…

 正に、心を緩やかに、穏やかに戻してくるのに最適な『夢の国』の明るいテーマソングが流れてきていた…

 そしてギリギリまでピンと張り詰めていたから、この緩やかなテーマソングの明るい調べに呆気なくその張り詰めていた緊張感という糸が
 プツン…
 と、音を立てたかのように切れたのである。 


「あっ……」

 えっ、なにっ、和哉の電話が鳴っているの……か。




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