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シャイニーストッキング
第12章 絡まるストッキング6      和哉と美冴2
 76 抜けた楔

 わたしのせいでせっかく鎮まった筈の和哉のオスの、男の欲情を再び呼び起こしてしまった様なのだ… 

「あっ…」

 和哉は本当に、ほんの僅かに、わたしの反応を探るかの様なゆっくりとした動きでのストッキング脚のふくらはぎを触れてきていた。
 そんな彼の手の熱さと感触に思わず小さな声を漏らしてしまった。
 しかしその小さな声とは、さっき彼の心に打ち込んだ楔がかろうじて効いていた様なのにも係わらず、敏感過ぎるほどに反応してしまい小さいながらも完全に喘ぎ声と判る様な声なのだ。
 
 つまり、まるでわたしが和哉を誘ったといえるのである…

 そんなわたしはあまりにも愚かで、迂闊な、そして本当に変態的嗜好の女と云えるのである…

 ズキズキズキ…
 子宮の疼きが激しくなってきていた。


「あ…ん…」

 ビク、ビクッ…

 すると突然、いや、必然な流れであろう、わたしのストッキング脚のふくらはぎ辺りに触れていた和哉の熱い手の平が、脚首から爪先へとゆっくりと動き、わたしの爪先の指先を包み込む様にして撫でてきたのである。

 その愛撫に近い指先の動きに、完全に喘ぎ声と判る声を漏らしてしまい、脚を、爪先を、ビクビクと震わせてしまったのである。
 わたしはその和哉の指先の動きに完全に、淫らな、淫乱のスイッチが入ってしまった。

 ウズウズウズ…

 ああ、でもこの疼きは、いつものあの自律神経の昂ぶりからの疼きとは違うみたい…

 わたしは見つめてくる和哉のオスの目に魅せられてしまい、目を離す事が出来ないでいた。

 この疼きは…

 この疼きは…

 五年前から始まった和哉とのストッキングラブの疼きなんだわ…
 そう想った途端であった。
 脳裏に和哉とのあの五年前の約二週間の日々の毎日の様に愛し合った想いが、快感が、鮮明に想い浮かび上がってきたのだ。

 そしてその蘇ってきた快感により、わたしの思考は完全にメスの淫らな、オスを求め、欲する欲情の想いに支配されてしまったのである。

 そしてその欲情は妖艶な目の輝きを放ち、和哉のオスの欲情の昂ぶりの想いを刺激したようであった。

 そう、わたし自身のメスの昂ぶりの欲情により、和哉の心に打ち込んだ楔を、自ら抜いてしまった様なモノなのである…

 楔の抜けてしまった和哉の心は、歯止めが効かなくなっていた。





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