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シャイニーストッキング
第12章 絡まるストッキング6      和哉と美冴2
 67 名は体を表す…

「彼女は弁護士秘書という仕事柄なのか、本当にしっかりしてるんですよ」

 なるほど、そうなのか…
 確かに、そんな感じが写真から伝わってきていた。

 そして、彼女のその目力の輝きから、彼女自身が持っている女としての自信が感じられてきたのだ。

 だから、和哉の過去の女の影の存在感なんかには簡単には動じないのだろう…

「確か、真実さんだっけ…」
 和哉は頷く。

「はい、真実と書いて『まみ』と読みます」

 真実と書いて…
 なるほど『名は体を表す…』という諺があるが、きっと彼女は正にそうなのであろう…

 そして弁護士秘書という仕事…

 正に真実…

 まみ…

 ピッタリじゃないか…

「なんか凄く素敵な彼女さんじゃないの…」
「そ、そうですか…」
 和哉は呟く。

「うん、素敵な彼女さん…
 わたし、安心したわ…」
 と、なんかオバさん的な、余計なお節介的な言葉を云ってしまったのだ。

「安心?…」
 不思議そうな顔をする。

「うん、安心…
 安心して和哉を任せられるから…」
 
 ヤバい、ますますオバさん的なコメントだ…

 わたしは話せば話す程にオバさん的に陥ってしまう自分自身に、自虐な想いが湧いてきてしまっていたのである。

「任せられる?…」
 更に不思議そうな顔をしてきた。

「うん、和哉がさっきわたしにレストランで訊いてきた将来の教師か公務員の選択だって、彼女、真実さんに訊けはよかったのに…」
 と、わたしは言ったのだ。

「あ、いや、それは、まだ、彼女は20歳だし…」
 少し動揺した声で云ってくる。

「あ、そうか、まだ20歳なのか…」
 わたしはあまりにも彼女が大人っぽく、しっかりして見えたので和哉より年下なのを忘れてしまっていた。

「そうか…、まだ、20歳か…」

 わたしは37歳…
 比較しようのない大人で、既にオバさんである。

 急に心がザワザワと騒めいてきた…

 和哉は22歳か…

 完全に大人と子供だ…
 
 いや、オバさんと子供といえるか…

 なんか、わたしだけが浮いているみたいだ…

 そんな自虐な想いに陥ってしまう。





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