この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
漏らしちゃったの?
第2章 海の秘密

2
今日から会社は新年度。
ざわざわとしたうちの部署はいつもの通り。
「蒼凪さん、ちょっといい?」
部長に声をかけられて、顔を上げた。
介護施設への福祉用具のレンタル、販売を行うこの会社は、女性社員が多く、部長も例外なく女性だ。
まぁつまり、社内で出会いなんてほとんど無いとも言えるけれど。
「なんですか?」
何気なく聞くと、部長はにっこりと笑う。
「蒼凪さん、デスクでお客様の電話対応とか予約の管理とか、しっかりできてるなぁって、みんなからも好評なのよ」
「……あ、ありがとうございます……!」
突然褒められたことに、悪い気など一切せず、自然と笑顔になってしまう。
「それでね、蒼凪さんも2年目でしょう? そろそろ現場へ行って、営業の仕事をしてみてもいいかなぁと思って」
「……営業?」
初めての提案に、つい不安な顔をしてしまう。
「大丈夫。最初は先輩と組ませるし、半年くらいは勉強するような形にはなると思うから」
「いま、やってる仕事は……?」
「そこも大丈夫。営業の仕事2割、今までの事務が8割って感じで、少しずつ、事務の仕事を他の社員に引き継ぐような形になっていくと思うわ。最初は仕事覚えながら引き継ぎもってなってしまって、大変なこともあると思うけど……どうかしら?」
ステップアップのチャンスだった。
わたしが1年間で得た、信頼が後押しする形での、新しい仕事。
引き受けてみても、良いと思った。
「……やってみます! うまくできるか、わかりませんが……」
「うん! 大丈夫よ。きちんとサポートはするからね」
こうして翌日から、営業の仕事がスタートする。
仕事は嫌いではなかったから、少しワクワクしていた。
……あんなことになるなんて、思ってもみなかったんだけれど……。
今日から会社は新年度。
ざわざわとしたうちの部署はいつもの通り。
「蒼凪さん、ちょっといい?」
部長に声をかけられて、顔を上げた。
介護施設への福祉用具のレンタル、販売を行うこの会社は、女性社員が多く、部長も例外なく女性だ。
まぁつまり、社内で出会いなんてほとんど無いとも言えるけれど。
「なんですか?」
何気なく聞くと、部長はにっこりと笑う。
「蒼凪さん、デスクでお客様の電話対応とか予約の管理とか、しっかりできてるなぁって、みんなからも好評なのよ」
「……あ、ありがとうございます……!」
突然褒められたことに、悪い気など一切せず、自然と笑顔になってしまう。
「それでね、蒼凪さんも2年目でしょう? そろそろ現場へ行って、営業の仕事をしてみてもいいかなぁと思って」
「……営業?」
初めての提案に、つい不安な顔をしてしまう。
「大丈夫。最初は先輩と組ませるし、半年くらいは勉強するような形にはなると思うから」
「いま、やってる仕事は……?」
「そこも大丈夫。営業の仕事2割、今までの事務が8割って感じで、少しずつ、事務の仕事を他の社員に引き継ぐような形になっていくと思うわ。最初は仕事覚えながら引き継ぎもってなってしまって、大変なこともあると思うけど……どうかしら?」
ステップアップのチャンスだった。
わたしが1年間で得た、信頼が後押しする形での、新しい仕事。
引き受けてみても、良いと思った。
「……やってみます! うまくできるか、わかりませんが……」
「うん! 大丈夫よ。きちんとサポートはするからね」
こうして翌日から、営業の仕事がスタートする。
仕事は嫌いではなかったから、少しワクワクしていた。
……あんなことになるなんて、思ってもみなかったんだけれど……。

