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† 姫と剣 †
第7章 決意
「あぁぁっ………」
扉から漏れるルシアの声が一段と大きくなる。
それに反応したかのように、ウィルはフッと振り返って、リューイに背を向けると、そのまま扉へと向かう。
「っ……な、おい!」
慌ててウィルを止めようとするが、いまいち体が動かない。
止めるのが正しいのだろうか。
ウィルが止めればこれ以上このルシアの声を聞かなくて済むかもしれない。
でも、それはこの一時のこと……。
色々な考えがリューイの中で駆け巡って迷いが生じる。
その隙にウィルはガチャと音を当てて、扉が開いた。
「ロイ、俺も混ぜてよ」
不躾に、ウィルが部屋の中に入っていくのをリューイは眺めているだけ。
そして、瞬時に部屋の中から、視線を逸らす。
「ウィルっ……!」
突然の兄の声にハッとしたロイは、すぐさまルシアの体に布を被せる。
なぜ、兄がここに……
「あれ……? 姫は……?」
ぐったりとしたままのルシアの姿に、ウィルは口角を上げる。
様子から見るに、ロイの熱烈な愛撫で果てて気を失ってしまった、と言ったところだろう。
そして、ウィルはそのままロイを見つめた。
「ロイ、乱暴しちゃダメじゃん」
「出ていってください!!」
掴みかかろうとするロイを交わすべく後ずさったウィルは部屋の外を出る。
それを追いかけて、ロイも部屋を出ると、ウィルを廊下の壁に追いやった。

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