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不埒に淫らで背徳な恋
第8章 【本能のまま乱れ咲くのは愛と呼べるでしょうか?】




好きなまま別れた佐野くんのことも本当はずっと引っ掛かってる。
会うのが怖い。
どんな顔すれば良いのか全然わからない。
素直になるのも怖い。
なってもすぐ傷付きそうだ。




まだ今の私では打破出来ないのかな。





出口の見えない長いトンネルに居るみたいだ。
自分が前を向いているのかさえわからないから走りもしない。
止まっているようにも思う。
疑心暗鬼にもなる。





ようやく作業は落ち着いて終わりを迎えた。
戸締まりをして皆で退社する。
外はしとしと雨が降っていた。
天気予報で知っていたので傘は常備してある。




ビルからぞろぞろと出て行く私たちの目に飛び込んできたのは、目の前にどデカく停まる白のロールスロイス。
中から降りてきたのは昼間会ったばかりの小山社長で、小さく手を振ってる。




「小山社長!?」




背が高いからロングコートがよく似合っている。
大きな手で雨を凌いでいたから慌てて傘の中に入れてしまった。




「佐久間マネージャーお先に失礼しま〜す」とニヤニヤしながら駅に向かう同僚たち。
お疲れ様…と見送った後で。




「どうしたんですか?」




少し濡れた前髪をハンカチで拭いてあげる。
同じ傘の中で見上げる社長は昼間とはまた違ってよりセクシーだ。
ドキドキがバレないように視線を逸らした。




「いや、さっきは僕もテンパっててちゃんとした連絡先交換してなかったなって…」




「え、あ……そうでしたね」




「そう思ったら居ても立っても居られなくなって……」




それだけの理由で来たの…?
いつから…?
忙しい人だからたまたま時間が出来たんだよね…?




チラチラと目が合ってまた逸らす。




あれ…?小山社長ってこんな人だっけ…?
グイグイきて困ってたあの時と同一人物!?
言ってるそばからめちゃくちゃ照れた顔。
可笑しくってつい笑ってしまった。




「アハハ…!連絡先交換もせずに私、プロポーズされたんですね」




「順番がバラバラだな……参った」




「小山社長らしいです」




「今は社長じゃないよ」




「え…?」












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