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小夜
第5章 あめがふる

お屋敷に戻るとき、少し驚いたことがありました。
お兄さまと一緒だったせいなのか、使用人が使うのではない、正規のテラスから中に入ったのです。
そして、小夜が今まで決して入ることが許されなかった、応接間に通されました。
これまで小夜に許されていたのは、お兄さまの部屋だけでした。
それも、使用人が使う通路だけ通ってのことでした。
初めて見る、お屋敷の中の豪奢な部屋に、小夜は圧倒されました。
うすうすは感じていましたが、この家の持つ途方もない財力が、部屋のあちこちから伺えました。
そしてお兄さまは、この家の若いあるじなのでした。
とても座り心地のいい、柔らかいソファに腰かけて、小夜とお兄さまは午後をすごしました。
その日、まだ何も食事をしていない小夜のために、お兄さまが軽食を頼みました。
上質なチーズを使ったサンドイッチは、本当に美味しかったです。
そして、お兄さまが手ずから煎れてくれた紅茶を飲んだあと、小夜は急に眠気がしてきて……
その後の記憶が途絶えています。
お兄さまが、小夜に薬を使ったのです。
お兄さまと一緒だったせいなのか、使用人が使うのではない、正規のテラスから中に入ったのです。
そして、小夜が今まで決して入ることが許されなかった、応接間に通されました。
これまで小夜に許されていたのは、お兄さまの部屋だけでした。
それも、使用人が使う通路だけ通ってのことでした。
初めて見る、お屋敷の中の豪奢な部屋に、小夜は圧倒されました。
うすうすは感じていましたが、この家の持つ途方もない財力が、部屋のあちこちから伺えました。
そしてお兄さまは、この家の若いあるじなのでした。
とても座り心地のいい、柔らかいソファに腰かけて、小夜とお兄さまは午後をすごしました。
その日、まだ何も食事をしていない小夜のために、お兄さまが軽食を頼みました。
上質なチーズを使ったサンドイッチは、本当に美味しかったです。
そして、お兄さまが手ずから煎れてくれた紅茶を飲んだあと、小夜は急に眠気がしてきて……
その後の記憶が途絶えています。
お兄さまが、小夜に薬を使ったのです。

