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第9章 キスの嵐

「はい、水木くんが進めているプロジェクトでミスが見つかって私も同行することになったんです。週末は汐里と約束してましたので週明けにとも思ったんですが、先方の事やこれからの流れを考えると早い方がいいと言うことになって明日から行くことになったんです。平日にゆっくりできない分、週末にはと思っていたのに申し訳ない」

本当に申し訳なさそうに謝る課長に私は首をふる。
会えないのは寂しいけど、仕事優先は当然だし、それに……

「それで会いに来てくれたんですか？」

「はい。直接謝りたかったのもありますが、月曜日まで会えないと思うと少しでも会っておきたくて押しかけてしまいました」

少しだけでも会いたいと思って来てくれたことが心底うれしかったし、会えない事に対して寂しいと思っているのは私だけじゃないと分かりホッともした。