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彼の世界は官能で出来ている。
第12章 別世界の壁

すると、その日の夜中に――――私のスマホが鳴った。


「もしもし――――…瑛斗?」


『あぁ――――俺だ百々子か?』




寝ていた私は重たい瞼を持ち上げベッドの横にある時計を見た。



「え……3時―――…」


『すまない…こんな時間に…アイスコーヒーとサブレ……///かなり助かった。ありがとう』




コーヒーとサブレが瑛斗の手に渡ったのだと知ると私は少しホッとした。


「大丈夫?忙しいんでしょ?……テレビでいつも見るけど…少し痩せた?」


『ふっ――――…百々子には隠せないなぁ…他のヤツは、俺が太ったって思ってるみたいなのに』



太った――――…あぁ…嘉良くんの言う毎日のような接待でかな?



「ん~…体型は変わっていないとは思うけど…――――…何となく…そう感じたの」



『確かに――――…体型は変わってない!流石にぽっちゃり体型では百々子に嫌われてしまうからな!』


「///は?そんなことで、嫌わないよ…」


『そうか…百々子にそう言ってもらえると…頑張ろうって気になる。本当は今すぐにでも会いたいが――――…原稿が上がらなくてな…ホテルに監禁状態なんだ』



「監禁…って、珍しい――――…そっち系の作品はスラスラ書けていたんじゃないの?」




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