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ひと夏の恋……そして……
第12章 成長とやさしさ

「何度も欠伸をして疲れた顔をしてるのに自覚がないのかい?今年は8月に入って真夏日が続いてるから疲れが出てきたんだろう。一日ぐらい店を閉めたいけどそうもいかないからね。今日は早めに店閉めてゆっくりしたらいいよ」
そう言っている間にもお客さんは入ってくる。
その接客をしながらクローズの看板を出したソンちゃんはそのまま調理を始めた。
「身体を休めるのも仕事のうちだ。真緒が倒れたら店を閉めなきゃいけないだろう?だったら少し営業を短くした方がマシってもんだよ。身体あっての仕事だからね」
一番の稼ぎ時の夏に店を早仕舞いするのは売上的に痛い事はソンちゃんだって分かっている。
その上での判断。
正直、ソンちゃんの言う通り疲れが溜まっている。
それに加え、この2日間は寝るのが遅くなって寝不足になりつつあった。
だから今朝は寝坊した。
佐伯さんの事をソンちゃんに説明できない今、ソンちゃんには悪いけど言い訳をせずに甘えることにした。

