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あなたからは逃げられない
第21章 新人研修中の出来事



『ほら!これちゃんと見て。色変わったでしょ?

これ覚せい剤ね。』


警察が優兄ちゃんに事実を突き付けると下を向いたまま優兄ちゃんはこう続けた。


『はい。覚せい剤です。』


...覚せい剤…?
それを私の飲み物に入れようとしていたの?

『彼女の飲み物になぜこれを入れようとしていたんだ?』

『彼女は僕と幼馴染みで久しぶりに再会して少し楽しみたかったからです。』

『楽しむ?こんな違法なものを彼女の意志とは異なるのに摂取させるとどうなるか考えること無かった?』

『どうせ今夜だけだし極少量だから大丈夫だと思ったんで…』

『後でよく教えてやる。どうなるか。』



原田さんは私の背中を摩りながらずっと隣にいてくれた。警察と優兄ちゃんのやり取りを聞いていると震えが止まらない。

『これは未遂に終わってよかったとしか言いようがない。彼の身柄は我々が引き取ります。』

それから優兄ちゃんに手錠をかけ日付時刻を言いながら現行犯逮捕と言い2人の警察官に抱えられ裏から出ていってしまった。

お店の方は落ち着くまでここにいて構いませんといい私と原田さんだけになった。

しばらくして私はどうしてここに原田さんがいるのか不思議になって聞いてみることにした。




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