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あなたからは逃げられない
第11章 久しぶりの実家へ



サロンにいる間は少しリラックスも出来て嫌な気分にはならなかった。

髪はカラーをしてもらって傷んでいる毛先だけを切ってもらった。
ネイルはシンプルにホワイト系ネイルにしてもらった。


支払いを済ませてサロンを出ると目が飛び出そうになるくらい驚ける人物が立っていた。


「龍輝さん...」

「葉月、お、髪ツヤツヤだな。」


ん?思っていた以上に龍輝さんはいつも通りだ。
私が思っていたほど悪いことではなかったみたい?!


「どうしてここに?忙しいんでしょ?」

そうじゃない。私が聞きたいことはそうじゃないのに素直になれず彼に聞きたいことが聞けなかった。


「今日本部行ってたから仕事めんどくさいから辞めた。明日からまたがむしゃらに働くよ。」


「そっか…」

「俺が本部にいるって大河原に聞いたんだろ?
なんで呼ばれたのか気になんねぇの?」


彼には全てお見通しなんだろう。
私は別にと言ったけど龍輝さんはニヤニヤしながら私の頭をぐしゃぐしゃにした。


「素直じゃねぇな。よし明日から実家だろ。

ちょっと付き合って。」


彼は私の手を握りサロンの前から離れていく。
そして私は転ばないようにだけ気をつけて彼について行く。



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