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あなたからは逃げられない
第11章 久しぶりの実家へ

「いつも彼と一緒なのに今日は何故一緒じゃないんですか?」
こんな質問をされると思っていなかったのだろう。
一瞬顔を歪めたけれど大河原さんは私の質問に答えてくれた。
『社長は今日本部に行っております。』
「本部に…?」
『はい。先日呼ばれまして今行っております。』
嫌な予感しかしない。
本部とは小鳥遊グループのビルのこと。
グループ会社には支店がある会社もありグループのビルのことを本部という。
「なぜかは聞いてないんですよね?!」
『はい、お連れしただけで終わると連絡が来ますので迎えに行きます。』
「そうですか。」
とうとう父にバレてしまったのかもしれない。
これから就職して少しでもまた自立出来ると思っていたのにまた振り出しに戻った気分…
「バレたのか...」
『葉月様?バレたとは会長に交際していることが?』
「どうかは分からないけど年末年始は実家に帰ることになっていたのに明日帰ってこいって連絡があったんです。」
私はバレたと思っている。じゃなきゃ、こんなタイミングで龍輝さんが本部になんて呼ばれることは無いはず。
私は車をおり予約していたサロンへと向かった。
その姿は大河原さんがしっかり見届けてくれていたみたい。

