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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第2章  〝岬〟 


 静寂が続くと、耐え切れなくなって言う。

「た、均くん……どこ?」

 すると――

「大丈夫、ここにいる」

 みしっと軽くベッドが揺れた後、再び背後から包み込まれるように、身体は抱きしめられた。

「さあ――どうしようか?」

「え……あ」

 吐息を含んだ声が耳をくすぐり、わたしは不意に細い声を漏らしている。

 背中側からぴたりと密着した、均くんの胸板。普段はやや華奢だと思えていたそれが、今はダイレクトに男の人の筋肉のたくましさを感じさた。

 肩から首元に彼の両腕がしっかりと巻きつき、頬がくっつきそうなくらいに近くにあるのが、互いの息づかいでわかった。

 彼の太ももが、おしりの辺りを挟みつける。ズボン越しに、均くんの高鳴りを微かに予感したような気がして、わたしはまた息を呑んだ。

 感覚の全てが――

「ほら、どうしてほしいのか、言って」

 その甘いささやきで、操られるようだった。

「さ……」

「さ?」

「さわ……って」

 視界を閉ざされた世界で、わたしは興奮を増大させる。

「わたしの身体に、触ってください」

 赤裸々に告げると、彼はくすっと笑う。

「うん。わかった」

 わたしと均くんの二回目の【エッチなこと】が、こうして始まろうとしていた。

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