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第7章 　タモツ　

　そういえば〝彼女〟も言っていた。「わたしには資格がない」と。
　
　僕はキーボードを叩き【弘前あやか】と打ち込んで検索する。その名前を検索にかけたのは、これで二度目だった。だから既に、その記事のことはしっていた。

【ＦＰ７浜谷（３０）が高校生グラドルとの極秘の一夜？】

「……」

　僕は改めて、関連のいくつかの記事を詳細に眺めた。

　『ＦＰ７』というのは略称で正式名を『ファンタジック・プリンス・セブン』という七人組の男性アイドルグループだ。所属事務所は数多くの男性アイドルを輩出した、超大手事務所の『Ｄ‘ｓ』。

　記事の見出しにある『高校生グラドル』とは、もちろん『弘前あやか』のこと。当時、週刊誌の巻頭グラビアにも登場していたくらいだから、それなりの知名度はあったらしい。

　とはいえ相手が超人気アイドルグループのメンバーということもあり、記事の見出しとしては彼女の名前よりも『高校生グラドル』の方がインパクトがあるのだろう。正確にはグラビアアイドルではなく、モデル活動を中心にしていたみたい。

　内容とすれば要するに、地方で映画の撮影が行われた日の夜、ロケに参加したＦＰ７の浜谷陸也（はまや　りくや）が弘前あやかを自分のホテルの部屋に招き入れ、一夜を過ごしたというもの。

　週刊誌に掲載された写真には、二人が親し気にホテルのエレベーターに乗り込む場面と、早朝に弘前あやか一人がホテルから出てくる場面が、それぞれ映し出されていた。