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永遠の愛を奪って
第20章 小春の望むこと

人は近くにいる相手を好きになりやすい、とよく耳にする。
新しい場所に行ってしまったら、お互いに近くにいる他の誰かを好きになってしまうんだろうか……。
でもそんなのは嫌だ。
私は他の誰かじゃなくて祐がいい。
この先、隣を一緒に歩んでいくのは初めてを奪っていった祐でないと嫌だ。
その未来を叶えたいのだから、このまま不幸のジンクスに流されてしまっていてはいけないんだけど……。
話し合うきっかけが欲しいけど、共通の知り合いでもある穂並さんも結婚して話題に出てくることもなくなったし、付き合ってから一年目の記念日や私と祐の誕生日もまだ遠い。
おまけにバレンタインデーも平日で会えなくて、ゴールデンウィークまでも三ヶ月以上ある。
だけど、その日を待っているうちに心が離れてしまっては意味がないから私が勇気を出すしかない。
そう。思い切って処女を卒業した時のように……――――

