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永遠の愛を奪って
第3章 これはきっと恋だから…

ハンカチで手を拭きながらトイレのドアを開けた時、入ってくる人とタイミングが被ってしまったようで誰かとぶつかりそうになった。
噂をすればなんとやらで、やって来たのは土嶋さんだった。
正面衝突しそうになったからかあまりいい表情はしていない。
「……すみません」
「いえ、こちらこそ……」
怒っているような声のトーンで早口で言われて、少し怯えながら私もぺこりと頭を下げて謝った。
土嶋さんと今まで話したこともこのくらい。
会話という会話をしたことがないからどんな人なのかもイマイチ分からない。
でもあまり社交的な人には見えないからさっきの噂も信じられなかった。
――――『小春、愛してる……』
行為をしていた最中に言われたあの言葉を思うと、土嶋さんと今も関係があるようには思えないし……。

