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永遠の愛を奪って
第2章 処女卒業前の夜

シワや汚れが一切ついていない黒いスーツが濡れてビールの泡がついている。
和んでいた空気を一瞬で凍らせてしまって周囲が静かになり、しゅわしゅわとビールの泡が消えていく音が皮肉にも耳に入ってきた。
「まぁまぁ。オレは大丈夫なんで」
「青木くん、ごめんなさい!クリーニング代は私が出すから」
「ありがとう。部屋が狭いから転ぶのも仕方ないし、落ち込むなよ」
「うん……」
落ち込むなと青木くんに言われても、穂並さんに慰められても、他人の服を濡らしてしまった罪悪感を感じて楽しくお酒を飲むことはできなかった。
これでは二次会に行ける雰囲気でもない。

