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第3章 これは恋

 暫く携帯を眺めていたが、直ぐに返信は来ず……
仕方なく、コーヒーでも飲もうかと台所に向かうと何か言いたげなマイマザーの香代子が夕飯の支度をしていた。
今夜はカレーか。
この人のカレーはカレー粉が溶けきれてなくダマになって入っている事がしばしば……
それだけせっかちな女

 「今夜はカレーか。美味そうな匂いだな。腹が減ってきたよ」

 「今日は家で食べるのかい?」

 「今日は家で食べます」

 敬語になっちまうくらいこの空気は重い。

 「そう。
今日は歩は外で食べてくるらしいから、簡単なものにしたから」

 「そうなのか」

 「親父から小遣い貰った。かなり良い事あったんじゃね〜って歩が言ってたわよ」

 歩の野郎〜五千円も奮発してやったのに〜
それに、もうすぐ70になるあなたが歩の口調を真似するとキモいです。
でも逆らいません。

 「こ、コーヒー貰うぞ」

 「せいぜい糠喜びにならないようにね、もう若くないんだから」

 「大きなお世話様」

 今にあんたが驚くようなぶっ飛んだ嫁連れてきてやるから覚悟しろよな、香代子!!

 と、心の声

 実際、せっかちな香代子とは正反対でマイペース天然女を嫁にしたのだから、この時の俺の心の呟きは現実となったんだ。

 まさに有言実行!!


 
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