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セイドレイ【完結】
第53章 落日
一行がタクシーを降りると、そこは飲み屋街から少し離れた雑居ビルが立ち並ぶ裏通り。
付近にちらほら飲食店はあるものの、どちらかと言えばスナックやキャバクラ、そして風俗店が目立つ。

「...ここから少し歩くんでな。着いて来てくれ」

大川がそう言うと、他の役員達もその背中に続く。

(2軒目ってそもそも...飲み直すだけ...だよね?)

周囲の景色の変わりように亜美が戸惑いながら歩いていると、それを察したのか、木下が声を掛けてくる。

「...なんか人通りも少なくて雰囲気悪いですよね」

「え、ええ...。ちなみに木下さんは、今から行く場所...知ってるんですか...?」

「いや...実は初めてなんですよ。でも、ずっと行ってみたいと思ってたんです。ただ残念なことに一緒に行ってくれる人が居なくて...だからめっちゃ楽しみなんですよね~」

「そ、そうなんですか...」

亜美は木下の返答にやや首を傾げた。
これからどこに行くのか、という意図で質問をしたつもりだが、木下のこの言いようだと、目的地を分かった上で初めて行く場所だと言っていることになる。

(私の聞き方がいけなかったのかな...?お酒に酔ってるのもあってうまく伝わらなかったのかも...でも一人で行く場所じゃないってことは...どんな雰囲気なんだろう)

亜美は多少気になりつつも、少し話を広げようと別の話題に切り替えてみる。

「...あ、あの...、一緒に行ってくれる人って、それはお友達?それとも...彼女とかですか?」

「あはは...!市川さん、面白いこと言うんですね?ツレと行くわけないじゃないっすかー。あと僕、彼女居ませんし...。年齢イコール彼女イナイ歴っすよ...」

「え、あっ...違っ...ごめんなさいっ!失礼なこと聞いてしまって...」

咄嗟にフォローしようとするも、やはり何かおかしい。

(友達とは行かない場所...でも会社の人とは行く場所って...どんなとこなんだろう...?)

細い路地を曲がり、先頭を歩いていた大川が歩みを止める。

「...さて、ついたぞ」

そう言って大川が立ち止まった正面の建物を見て、亜美は驚きの声をあげる。

「えっ...?ここ...ですか??ここって.....ちょっと待ってくださいっ...?!」
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