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セイドレイ【完結】
第25章 暗転

「あの…田中さんもですけど…先ほどの人とはどうやって知り合ったんですか…?」
亜美のその質問に、いささかバツの悪そうな表情をする慎二。
「…ん?うんとね……、ネ、ネットだよ。ネットで知り合って、亜美に興味があるって人が…近所に2人居てさ。その1人が田中さん。で、もう1人があのタカってやつで──」
("タカ" ──か)
するとそこへ、田中が口を挟む。
「そ、そうなんですよ。もう師匠の動画にはどれだけお世話になったか分からなくて…是非会ってみたいとお願いしたら、まさかお返事をいただけるなんて…もう、あのサイトでは神様みたいな存在ですから。天にも昇る気持ちでした…」
「…動画?」
亜美は分かっていながら、わざと疑問に出してみる。
「あ…うんまぁ色々!動画とかいろいろ見れるサイトがあってさ?そ、そこで趣味が合うことが分かって仲良くなって。ね!田中さん??」
おおよそ見当はついていたが、やはりあの『セイドレイ』を経由して出会ったのだろう。
とすれば、貴之はなんらかの方法で『セイドレイ』の存在を知り、慎二にコンタクトを取ったということか。
学校で出回っていたあの動画を頼りに『セイドレイ』に行き着いたのかもしれない。
詳しい経緯は分からないが、さっき貴之が言った「信じてやれなくてごめん」という言葉は、おそらく動画に映る女が亜美であると疑っていたことに対する謝罪なのだろう。
「と、とにかく!無事でよかったよ…本当、どうなるかと思った…」
ホッと胸を撫で下ろす慎二に、田中が声をかける。
「こ、このあと…どうします?あんなことがあったあとですけど…」
「うーん…どうしよう。なんか落ち着かないし…おとなしく帰るとするかな。しかしあの『タカ』って奴…せめて住んでるところくらいは特定できないもんかなぁ…」
「…えっ?」

