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愛おしいキミに極甘な林檎を
第30章 低俗な野望と片思い

向かったのは私の部屋の隣にある物置部屋。
床に下ろされてから理人さんは工具箱を漁り、ペンチを取り出した。
「すみません。手を挟まないように協力してください」
「はっ、はい……」
「……風子さんを傷つけてしまうことになるのなら最初からこうしておけば良かったですね」
理人さんは繋がれている右手でペンチを持って刃で鎖を挟み、グッと強く力を入れていた。
それを何度か繰り返すと繋がっていた鎖はパチンッと切れる。
手首に残っている枷も外してもらって私たちはやっと自由になれた。
「那砂のことは僕が何とかしますから風子さんは塑羅緒さんのところに行ってください」
「大丈夫なんですか……?」

