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愛おしいキミに極甘な林檎を
第24章 離れ離れと深まる絆


この晩、外に出て行った課長は朝まで帰って来なかった。

戻ってきたのは私が起きて朝食を食べに行く準備ができた頃だった。


「おはよう、乙羽。よく眠れたか?」


「はひ……」

殆ど眠れなかった……。

今日も寝不足というステータスを背負って生きる羽目になる。


半開きの目のまま、ぼーっとして課長の準備が終わるのを待つ。


ネクタイを締めてスーツのジャケットに腕を通す姿を見ていると私よりもシャキッとしていた。

頼りがいのある広い背中に大人の男らしさを感じる。


ソラ先輩とはちょっと違う格好良さ。

この違いは積み重ねてきた歳と経験から滲み出るものなのかと考えながら見入っていた。


「なあ、乙羽。今日は仕事が終わった後に――――。……ってまだ起きていないようだな」


「ひゃぁっ!?」

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