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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus


暗い話はここまでで、三人でビールを乾杯して喉に流し込んでからは楽しい時間がやってきた。


円陣をしなくても心が温かくなり、自然と笑うこともできる和やかな空気。

この時がこれからもやって来ると思うと、未来にまたひとつ幸せを描けている気がした。



――――――……


――――……



「結局またこうなるんですか。ノンアルコールとアルコールも見分けられないなんてさすが風子さんですね」


自ら口を開いて話せないほど頭がボーっとしているけど声は聞こえてくる。

あれから私はどうしたんだっけ……。


普段飲まないビールを飲んでおつまみを食べて、ソラ先輩が美味しいって言ってくれて、理人さんが僕も作れますって自慢して、それで……。


眠くて酔ったことしか思い出せない。


「きっと疲れていたんですよ。風子は何か悩みを抱えていたみたいですから」


「悩みですか。そういえば花城さんのことで悩まれていたと車に乗っている時に話していましたから仕事で何かあったんじゃないですか?」


ダメだ……、理人さん。それを話したら……、ソラ先輩が……。


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