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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus


部屋着に着替えてからリビングへ向かうと、二人が椅子に座って私を待っていた。


ダイニングテーブルの上にはコンビニで買ってからまだ食べていなかった総菜のおつまみとビール。

この短時間にソラ先輩が冷蔵庫から出して用意してくれていたようだ。



でも美容室に寄って帰りが遅くなるから晩御飯は食べていてくださいっと、ソラ先輩に言ったものの、ひとりではろくなものを食べていないのが容易に想像できる。

仕事が終わった後の理人さんもおつまみだけでは足りないだろう。


品数を増やそうと思い、私は台所に立って簡単に作れる料理を作るために冷蔵庫を開けた。


「風子、何か手伝おうか?」


「ありがとうございます。でも大丈夫です。ソラ先輩は座って理人さんと話していてください」


料理を作っている間にこれから長い付き合になる二人が話している姿を私はチラチラと見守る。

ガスレンジと換気扇を使っているからどんな内容なのかははっきりと聞こえない。

だけど、たまに笑い声が聞こえてくるからこの空気が悪いものではないことが確かに分かった。



「……大変ですね。何をしでかすか分からない彼女を持つと」


出来上がったおつまみをテーブルへ運ぶと理人さんが私のことを横目で見てそう言う。


一体何を話していたんだろう。

余計なことを話していなければいいけど……。


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