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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus

「それくらいで振り向いてもらえると思っていなかったから。好きになってって意味では渡してないよ」
「むうう……。私が後輩だから?」
「違うよ。そもそも好きになってもらいたいからするって意味なら相手に見返りを求めてるよね」
「まあ……。そうなりますけど」
「だから、どちらかというと渡していた意味は愛に近いかもしれない。高校生の時は愛がどういうものか今のよあいに分からなかったけどね。
まぁ、とにかく俺がしたいから風子にしてたってこと」
「それって私が言ってることと同じじゃないですか?」
これは勝てるチャンスと思い、ニヤニヤしながら顔を覗き込むと今度こそ観念したような笑みを見せてくる。
動いたらココアをこぼしてしまいそうだから私は一旦テーブルの上にマグカップを置き、再びソラ先輩に肩を寄せた。
「ふっ、好きだから同じか」

