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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus

「ああ……。懐かしいね。 渡す時は緊張したよ」
「私が好きだって言ったミルクティーもよく買ってきてくれてましたけど、その時も緊張していたんですか?」
「毎回渡す理由を考えながらドキドキしてた」
冷静にそう語る今はその頃のように私にドキドキしていないのか落ち着いているようだった。
長年付き合って、もうすぐ夫になるのだからこのくらいドンッと構えられるのだろう。
いつまでも付き合いたての頃のように緊張されていては心臓がもたないだろうから、私もそうであって欲しいと思っているけど。
これから待っている私とソラ先輩の関係は“子供の頃からの友達”ではなく“人生のパートナー”なのだから……。
「今になってからよく考えてみましたけど、高校生の時に私のことを好きだったからよく差し入れとかしてたんでしょ?」
たまに敬語ではなく、こうやって砕けた話し方もソラ先輩の前でできるようになってきた。
少しばかりからかうように聞いてみたけど、相変わらず私の負けを告げられるようにニヤリと笑われる。
「違うよ」
「えっ!?違うんですか!?」

