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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆

「……先に戻ってますね。ソラ先輩はお友達とゆっくり話してきてください」
ソラ先輩の友達に向かってもう一度会釈をした私は先にマンションへ帰った。
鍵を開けて家に入ってからドアを閉めて俯いて立ち尽くす。
私がいないところでソラ先輩はあの書き込みのことを聞かれているのかな。
浮気されてないか聞かれて、浮気されていないと答えて……。
もう忘れたいと思えるほどの嫌なことを色んな人に何度も、何度も聞かれて……。
私はまたソラ先輩を傷つけてしまっている。
幸せにしたいのに、結局傷つけることしかできない。
情けない自分が嫌になって涙がじわりと滲んできた時、コートのポケットに入れていたスマホのバイブが鳴った。
【また連休中に会える時があったらゆっくり話そう】
届いたメッセージは課長からの返信。
返さなくてもいい内容に返事をしてくる。
この人を憎んでもいいんだろうけど、やはり憎むことができない……。

