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愛おしいキミに極甘な林檎を
第48章 大切なキミの笑顔

乱れた服を直さないまま自分の家に帰り、すぐに鍵を掛けて床に座り込んだ。
辛うじて手に取ったスマホで電話を掛ける。
「もしもし、風子?どうしたの」
しばらく呼出音が鳴った後、安心する声が聞こえてきて高ぶっていた警戒心が薄らぐ。
「ううっ…、っ……。ソラせんぱいっ……」
事情を説明したかったけど胸が痛くて、涙が止まらなくてそれだけしか声に出すことができなかった。
電話を切ってから数十分経つと、ガチャリと鍵を挿す聞こえた。
「――――風子ッ!」
仕事を終えて急いで帰ってきてくれたソラ先輩が私の側へとやって来る。
私の肩に触れようと手を伸ばしてきたけど、怖くて避ける素振りをしてしまった。
「っ…、くっ、ううっ……、ごめんなさい…、ごめんなさい……」

