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愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去

「おまえらそんなことやってたのか。塑羅緒が変わった性癖をしていたのは知ってたが風子にそこまでやらせるとはな」
その変わった性癖とは、大分前にソラ先輩の家に颯太が泊まりに来て知ったことだろう。
部屋に置いてあった大きなダンボールの中身をラブドールだと言って誤魔化していたから今でも信じているんだと思う。中身は私だったんだけど。
「なになに?ハードな方をやってるの?那砂、超気になる!」
「どちらでもいいじゃないですか。それにどんな関係にせよ、呼び方や話し方は風子に任せているので」
問い詰めてくる那砂さんをソラ先輩は爽やかな笑顔でさらりとかわした。
誤魔化すのが上手い人だ。
「でも言われてみれば風子が記憶をなくす前は塑羅緒のことを先輩なんて呼んでいなかったし、敬語なんか使ってなかったな。おまえは今でも律儀に高校生の頃の上下関係を守ってるのかよ」

