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愛おしいキミに極甘な林檎を
第38章 真実と愛のかたち

「いいや……、ただそう思っただけだよ」
首を傾げると腕を引かれてまた太股の上に座らせられる。
今度は対面に座ったけどここでは他の誰にも見られる心配がないから両脚を開いても平気だった。
「今の風子はほかほかしてる」
寂しそうな目をしていたような気もするけど、よく見せてくれないままソラ先輩は私の胸に顔を埋めてくる。
最近仕事で疲れているのか前よりも甘えることが多くなった。
甘えると言っても弱音を吐いたり何をして欲しいと頼むのではなく、抱き寄せたり、抱きついてきたり、私の温もりを欲しがるだけ。
もっと頼ってくれていいのに……。
愛し合ってはいるものの、甘えるのが下手なのはお互い様なのかもしれない。
それでもこの居場所が大好きで胸に顔を埋めているソラ先輩の頭をそっと撫でた。
「……私のために…ありがとうございます」
髪の毛に触れている時に今日ずっと伝えたかったことを伝える。
上手い言葉を掛けたいのに胸がいっぱいで思い浮かばない。
愛するのもまだ下手……。
少し沈黙の間ができてから顔を離したソラ先輩は私を見上げてくる。
「そう思うならキスして」

