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愛おしいキミに極甘な林檎を
第38章 真実と愛のかたち

「風子の血の繋がった両親を探し出して、乗り越えないといけない壁が増えたよ」
何のための壁……?
っと聞きたかったけれど、その言葉を聞くのも、聞き返されて自分が言うのも照れ臭くて追求しないようにした。
きっとソラ先輩は容易く乗り越えてくれると思う。
「今日、血の繋がった家族と会わせてもらえて自分の家族が増えた気分です。弟もいましたからね」
「それに瀬戸内さん達も養子になるみたいだから大家族だね。瀬戸内さんが風子のお兄さんになるのか……」
「あ……、やっぱりそうなります?」
「「…………」」
無言で顔を見合わせてから二人で笑った。
そのまま笑顔でいるとソラ先輩だけ普段の表情に戻る。
「家族っていいね……」
「どうかしました?」

