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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第10章 光の当たる場所-千弥

「……あらら、予想外な展開」
「えー! そこで別れる?」
「俺はくっつくと予想してたんだけどね」
紅茶を飲みながら言い合うのも悪くない。こんな普通を俺は欲しかった、シェアってこんな感じだと実感出来る。
まだ家の中だけだが、漸く日の当たる場所に出始めた千弥、俺も陸も千弥の変化が嬉しい。
「千弥はどんな予想をしていたのかな?」
「蓮さんと同じ予想」
「それ僕も同じ」
「ということは、後からヨリを戻すパターンかもね?」
「あれなの? 番組的に持たせる展開?」
「もっとストレートでいいな僕」
「さあね?」
たわいもない日常でも、千弥が居れば楽しくなる。
さりげなく場所を移動し、千弥が座るソファーに近づき、俺のほうがソファーに座り、千弥を俺の膝の上に乗せた。
「蓮さん?」
「良いねこういうの。なにかしたいわけではないよ、ただ千弥を乗せていたいだけ」
「……重いのに」
「千弥は小柄だから重さなんて気にならない、俺的にこのほうが安心する感じだね」
「蓮さんも陸さんも、最近悪戯し過ぎなんだから」
「悪戯したいんだよ」
「僕まで引き合いに出されたし」
「陸さん、さっきなにをやったと……」
「あー……キッチン私物化?」
「それで誤魔化すの?」
そう言われれば、キッチンから普段はしない芳香剤の匂いがしていた。俺は仕事上キッチンに匂いは持ち込まない、料理の匂いを優先するため、極力使うのは無香のものを選ぶ。……ということは、使ったのは陸?

