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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第10章 光の当たる場所-千弥

◇◇◇
雑務に近い仕事を終わらせ帰宅して見れば、千弥と陸が揃ってキッチンに立っている。今度はなにを考えたことやら。
「あ、蓮さんおかえりなさい」
「ただいま千弥。今日は二人揃って料理?」
「それが……陸さんがさせてくれなくて……」
「蓮が帰って来るから任せちゃえー、って言ってたんだよ」
困り顔の千弥と、そんな千弥を見て笑っている陸、俺が居ない間にどんな攻防があったのやら。
それは置いておき、まずは……。
「……千弥」
「? ……んっ」
俺のほうが歩み寄り、千弥の腰をすくいお帰りのキス。最近恒例になった習慣で、陸が居ようがお構いなし。
「ん……ふぁ……」
「おや? 随分と甘い顔をするね」
軽く舌を絡ませただけなのに、千弥はトロンと俺に身を預けて来る。
「だってその……」
「なにかあったのかい?」
「えーとー」
??
これは言いよどむなにかがあった、そう見てよさそう。陸も積極的にアピールするようになり、俺もリビングで遠慮することはしない。
少し変化した三人の関係は、千弥に良い効果を与えている。一番は性的に過ぎる千弥が少なくなったことだろうか? ベッドの上はともかく、こうしてリビングでモーションをかけても、冷静に対応するようになったと思う。
「これはもう少しキスしようかな?」
「れ、蓮さんまで!? ……んん……ちゅるっ……」
もう少し深くと悪戯心。陸ともなにかがあったのだから、これくらいはして良いと思う。

